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BLPコラム

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物流コストが上がる理由とは?内訳や上昇する原因、改善のポイントを解説

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物流コストの見直しが、いま多くの企業で課題になっています。燃料費や人件費が上がり続け、運賃交渉や配送ルートの部分調整だけでは追いつかなくなってきているためです。必要なのは、コストの内訳と上昇の背景を構造的につかむことです。発生源を明確にした上で改善に取り組むと、利益率の改善につながります。

本記事では、物流コストの内訳や上昇する原因、改善のポイントについて詳しく解説します。



物流コストと一口にいっても、輸送費や保管費、荷役費など、含まれる費用は多岐にわたります。まずはその内訳と比率の目安、業種による違いを整理します。

物流コストは、輸送費、保管費、荷役費、包装費、物流管理費の5つに分類されます。

  • 輸送費:トラックや船舶などによる配送にかかる費用
  • 保管費:倉庫の賃料や在庫維持にかかる費用
  • 荷役費:積み下ろし・仕分けなど庫内作業の費用
  • 包装費:梱包作業、および梱包資材・ラベル等の費用
  • 物流管理費:システム利用料や管理部門の人件費など、物流全体を管理するための費用

このうち比重が大きいのは輸送費で、保管費、荷役費と合わせて物流コスト全体の大きな割合を占めます。費目を分けて把握するだけで、コストの偏りが見えてきます。

物流コストが売上高に占める比率は、業種や企業規模によって差があります。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の「2025年度物流コスト調査」によると、売上高物流コスト比率は全業種平均で5.32%でした。過去数年は5%台前半から半ばの間で推移しており、年度によって上下する傾向があります。単年の数値だけでなく、複数年の推移を追うと、一時的な変動か構造的な上昇かを判断しやすくなります。自社の比率をこの水準と照らし合わせると、改善余地の有無が見えてきます。

物流コストの比率は、商材の特性によって大きく変わります。食品や医薬品など厳格な温度管理(定温・保冷管理など)が求められる商材では、管理体制の維持コストが上乗せされる分、比率が高くなる傾向があります。医薬品物流では、常温品を含め品目ごとに管理基準が異なり、法令に基づく品質保証体制の維持コストも加わるため、他業種と単純に比較しにくい側面があります。日用品や雑貨などは、比較的標準化された輸送体制で対応できるケースが多く見られます。

物流コストは、なぜ上昇を続けているのでしょうか。背景にある4つの要因を順に見ていきます。

まず挙げられるのが、輸送需要の増加とドライバー不足です。EC市場の拡大とともに小口配送の件数は増えています。しかし、労働力の確保は追いついていません。2024年4月からは、トラックドライバーにも時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されました。稼働できる台数や人員が限られる中で需要が伸びると、運賃には上昇圧力がかかります。ドライバーの高齢化や新規就労者の減少という構造的な背景も伴っており、一時的な問題ではありません。

燃料費の高止まりも、コストを押し上げる要因のひとつです。軽油価格が上がると、輸送1回あたりのコストも直接増えます。運賃全体に占める燃料費の割合は大きく、価格変動の影響を受けやすい費目です。燃料サーチャージ制度を導入し、価格変動分を運賃に転嫁する仕組みを取り入れる物流事業者も増えています。

サプライチェーンの複雑化も、コスト増加の一因です。多品種少量生産や短納期対応が広がり、配送の小口化と納品頻度の増加が進んでいます。拠点数の増加や取引先の多様化で輸配送ルートが複雑になると、積載効率は落ち、管理工数は増えます。取引先ごとに異なる納品条件や伝票フォーマットへの対応も、現場の負荷を高める一因です。

物流コストが上がっても、販売価格へすぐ転嫁できるとは限りません。競合との価格競争が激しい業界では、値上げが取引先との関係や販売量に響くおそれがあります。JILSの調査では、物流事業者から荷主企業への値上げ要請が多くの企業に寄せられ、そのうち大半が実際に応じたと回答しています。荷主企業が販売価格にどこまで反映できているかは、業界や取引条件によって差があります。コスト上昇分をどこまで自社で吸収し、どこから価格に反映させるか、この判断は企業ごとに異なります。

コストを見直すといっても、着手できる範囲は一社ごとに異なります。ここでは実務で取り入れやすい4つの改善ポイントを紹介します。

まず着手したいのが、物流コストのうち比重が大きい輸配送コストの見直しです。配送先との距離や物量のバランスを踏まえた発着拠点の見直しによる輸配送距離の短縮や、共同配送の活用による積載率の向上等により、物流コストの改善が期待できます。

見直しの視点としては、以下が挙げられます。

  • 発着拠点の見直し:配送先との距離や、物量・取り扱い商品を踏まえた拠点の統廃合、再配置
  • 共同配送の活用:複数荷主でのトラック積み合わせによる便数削減
  • ルート最適化:配送順序や巡回方法の見直しによる走行距離短縮

拠点や輸配送体制に手を入れると、輸送コストの構造そのものを見直せます。

保管費や荷役費の見直しにあたっては、倉庫運用の効率化も重要です。在庫物量や保管スペースの適正化に加え、非効率な運用を解消し作業生産性を高めることで、物流コストの低減が期待できます。

  • 拠点統廃合の検討:物量や入出荷動向に応じて在庫拠点の配置や保管対象アイテムを再考
  • 非効率運用の解消:庫内レイアウトや動線、在庫配置を見直し、入出庫作業を効率化
  • 属人化の解消と標準化:手順やルールを標準化し、属人的な運用を減らすことで、教育負荷の軽減や作業効率の向上を図る

取り扱う物量や入出荷特性に応じて、拠点配置の見直しや効率的な倉庫運用を進めることで、保管費や荷役費の抑制につながります。まずは、自社の事業内容や課題を再精査し、どこを改善すべきか把握することが求められます。

改善の前提になるのが、コストの発生状況を可視化することです。TMS(輸配送管理システム)やWMS(倉庫管理システム)を導入すると、輸送費や保管費などの費目別データをリアルタイムで把握できます。

システム活用で得られるメリットは、次のような点です。

  • コスト費目の可視化:費目別・拠点別のコスト内訳を数値で把握
  • 積載率や実車率の分析:非効率な運行の特定
  • 改善効果の検証:施策実施前後のデータ比較

データに基づいて課題を特定すると、感覚に頼らない改善が進められます。

自社だけでの改善に限界を感じたら、3PL(サードパーティー・ロジスティクス。物流業務の一部または全体を外部に委託する形態)や物流コンサルティングの活用も選択肢のひとつです。外部の専門知識やネットワークを取り入れると、自社では気づきにくい課題を洗い出せることがあります。3PLは輸配送から倉庫運営、システム構築まで一括して委託できる場合が多く、コンサルティングは既存体制を変えずに診断と提案のみ受けられるケースもあります。自社の課題に応じて、適した支援の形を選ぶことが重要です。

物流コストは、輸送費や保管費など複数の費目で構成されており、需要増加や燃料価格の高騰、サプライチェーンの複雑化といった要因が重なり合って上昇しています。コストの増加は利益率の圧迫やサービス品質との両立、価格転嫁の判断など、経営面にも幅広い影響を及ぼします。拠点・輸配送の見直しやシステムによる可視化を進めながら、必要に応じて外部の専門知見を取り入れると、自社に適したコスト改善を段階的に進められます。物流コストの内訳を改めて整理し、自社の状況に合った改善策を検討することをおすすめします。

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