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正しい在庫管理のやり方とは?基本の手順と効率化のコツを解説

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在庫管理は、企業が安定して事業を続けるために重要な業務です。単に商品や資材の数を数える作業ではなく、会社の利益を守り、顧客からの信頼を維持する役割も担っています。正しいやり方を理解し、現場のルールを整えることで、業務の効率は大きく向上するでしょう。

本記事では、在庫管理の基本からよくある課題、具体的な手順、現場で実践したい管理手法までわかりやすく解説します。



在庫管理とは、「何を・どこに・どれだけ保管しているか」を正確に把握し、事業活動に役立てるための仕組みです。まずは、在庫管理の役割や押さえておきたい原則、不十分な管理によって起こるリスクを確認していきましょう。

在庫管理の役割は、必要な商品を必要なタイミングで、必要な数量だけ供給できる状態を維持することです。受注から出荷までの流れをスムーズに進めるには、正確な在庫データの把握が求められます。在庫数を正しく把握できていれば、発注のタイミングも判断しやすくなり、顧客の要望へ迅速に応えることで売上の最大化に貢献できるでしょう。

また、在庫管理は会社のキャッシュフローを健全に保つ上でも、重要な役割を担っています。商品は仕入れた時点でコストへと変わるため、需要を見極めて適正な量を維持できれば、限られた手元資金をより有効に活用できます。現場の作業効率だけでなく、企業経営の安定基盤を支える重要な業務といえるでしょう。

在庫管理を適切に行うには、共通する基本原則があります。ここでは以下の4つのポイントを紹介します。

  • 在庫数の把握
  • 保管場所の決定
  • 先入先出の徹底
  • 在庫特性に応じた対応優先度設定

まず大切なのは、在庫数を正確に把握することです。入出庫のたびに記録を残し、実際の在庫と帳簿上の数字を一致させることが基本となります。正確な在庫数を把握することは、過剰在庫や欠品を防ぎ、在庫適正化に繋がります。

次に、保管場所を明確に決めることも重要です。どこに何を置くのかを決めておけば、担当者が変わっても同じ手順で作業を進められます。在庫の所在を明確にすることで、スムーズなオペレーションと効率的な在庫管理を実現することができます。

3つ目は、先入先出の徹底です。先に入荷した在庫から優先的に使用・出荷することで、長期滞留や品質劣化、期限切れなどのリスクを防ぐことができます。日常業務の中で先入先出を確実に実践することは、在庫回転率の向上とロスの最小化にも繋がります。

最後に、在庫ごとの対応優先度を設定することです。回転率や滞留期間、使用頻度などそれぞれの特性に応じて発注タイミングや処理を進める上での優先度を可視化することで取るべきアクションを明確化することができます。

在庫管理が不十分だと、欠品による販売機会ロスや、過剰在庫による保管コストの増加を招く可能性があります。また、長期間保管された在庫の品質劣化や廃棄ロスといった損失リスクがあるほか、保管スペースが圧迫されることで新商品の受け入れや新規業務の対応が困難になることも考えられ、収益性や事業性に影響を与える要因にもなります。

さらに、現場の整理が行き届かなくなることで、目的の品を探す無駄な時間が増え、作業全体の効率が著しく低下してしまいます。出荷ミスや納期の遅延を引き起こす要因にもなり、顧客からの信頼低下にもつながりかねません。

こうしたトラブルを防ぐためには、担当者任せにするのではなく、誰でも同じように運用できる仕組みとして定着させることが大切です。

在庫管理には、多くの現場で共通して見られる課題があります。あらかじめ原因を理解しておくことで、状況に合った対策を講じやすくなります。ここでは、代表的な3つの課題を紹介します。

もっとも多く見られる課題が、実際の在庫数と管理台帳の数字が一致しない「在庫数のズレ」です。入出庫作業時の商品取り違えや数量間違いなどの作業ミスに加え、入出庫台帳への記録漏れによって発生します。手作業による運用では、記入ミスや二重入力といった単純なミスも発生しやすくなります。また、入出庫業務が頻繁に発生する現場では、作業ミスや誤差が蓄積しやすく、在庫数のズレが拡大する可能性があります

在庫のズレを放置すると、発注の判断や販売計画の精度にも影響が及びます。その結果、過剰在庫や欠品につながる可能性も高まります。こうした事態を防ぐには、実際の在庫を直接数えて帳簿と照合する「実地棚卸し」を定期的に行い、帳簿との差異を修正できる体制を整えることが大切です。

在庫管理が、特定の担当者の経験や記憶に依存している属人化も、よくある課題のひとつです。担当者しか保管場所を把握していない、独自のルールで管理していると、その人が不在になった途端に業務が滞ってしまいます。

さらに、引き継ぎが十分に行われないまま担当者が交代すると、これまでの管理方法が正しく共有されず、ミスや作業のばらつきが発生しやすくなります。担当者が変わっても同じ手順と同じ精度で管理できるよう、ルールを明文化し、誰でも運用できる仕組みづくりを進めることが重要です。

在庫の需要予測が実態に合っていないと、過剰在庫や欠品が発生する可能性があります。過剰在庫は、長期間保管することで品質の低下や廃棄、値引き販売につながります。一方、欠品は販売機会を逃すだけでなく、顧客満足度の低下を招く原因にもなります。

適正な在庫量を維持するには、過去の販売実績や季節ごとの需要変動などを踏まえて発注計画を立てることが大切です。経験や感覚だけに頼るのではなく、データに基づいて判断を積み重ねることで、より安定した在庫管理につながります。

在庫管理を適切に行うには、日々の業務を一定の手順に沿って進めることが重要です。ここでは、基本的な手順を順番に見ていきましょう。

在庫管理は、入庫作業からはじまります。商品が届いたら、発注内容と実際に届いた数量や品目を照合し、間違いがないかを確認します。この段階で確認が不十分だと、その後の在庫データ全体に誤差が生じてしまいます。

確認が終わったら、入庫情報を速やかに記録します。遅れるほど、実際の在庫と管理データの間にズレが生じるため、入荷したタイミングで処理するよう運用を徹底しましょう。

入庫した商品は、あらかじめ定めた保管場所へと格納します。配置を決めておくことで、現場での混雑を防ぎ、入庫から格納までの流れをスムーズに進められます。

保管場所を設定する際は、まず商品の特性に応じた保管条件を満たすことが重要です。例えば、温度管理が必要か、取扱う上で積み重ねができるか等、特性に応じて保管することで品質劣化・破損の防止に繋がります。また、入出荷頻度や作業動線を考慮した配置を行うことも重要です。作業者の移動距離短縮や作業効率を意識した配置とすることで、作業負荷の軽減や誤出荷リスクの低減も期待できます。

運用後も、商品の入れ替わりや取扱量の変化に合わせて配置を見直すことで、保管効率や管理精度を維持しやすくなります。

出庫時は、伝票や出庫指示の内容と、実際に取り出す商品を照合したうえで、指示に従って商品を集める「ピッキング作業」を行います。数量や品目の確認を疎かにすると、誤出荷が起こりやすくなります。作業する際に指示どおり正確に作業できるよう、あらかじめチェックする項目を取り決めましょう。

出庫作業が終わったら、在庫データも更新しましょう。入庫時と同様に、記録が遅れると実際の在庫数を正確に把握できなくなり、その後の発注判断にも影響を及ぼします。そのため、出庫作業と在庫データの更新は、一連の作業として運用することが大切です。

また、出庫実績を継続的に蓄積しておくことで、今後の需要予測や発注計画にも活用できます。

基本的な手順に加えて、在庫管理を安定して運用するための管理手法も押さえておきましょう。ここでは、現場で実践しやすい3つの方法を紹介します。

ロケーション管理とは、商品の保管場所を番地のように区分けし、「どこに何があるか」をすぐに・誰にでも把握できるようにする管理方法です。棚や区画ごとに番号を割り振ることで、担当者の経験や記憶に頼らなくても、目的の商品をスムーズに探し出せます。

ロケーションが明確になれば、入出庫作業を効率よく進められるだけでなく、棚卸しの確認作業にかかる時間も短縮できます。また、新しいスタッフでも保管場所を把握しやすく、短期間で業務に慣れやすくなるのもメリットです。

ABC分析とは、売上や出荷頻度などを基準に在庫をランク分けし、管理の優先順位を決める手法です。多くの品目を扱う現場では、すべての在庫を同じ水準で管理しようとすると、作業負担が大きくなってしまいます。

一般的には、売上や出荷量に占める割合が高い順に、A・B・Cの3つのグループへ分類します。
Aランク品は主力商品であり、欠品が発生すると販売機会損失や顧客満足度低下に直結するため、重点的な管理が必要です。特に在庫状況や需要動向を継続的に確認し、安全在庫や発注タイミングを適切に管理することが重要です。
Bランク品は、売上や出荷への影響が一定程度ある商品群であり、欠品防止と在庫抑制のバランスを重視しながら管理することが求められます。
Cランク品は出荷頻度や売上への寄与は比較的小さいものの、得意先の要望に応えるための商品ラインナップとして必要であったり、主力商品とあわせて販売する補完的な商品であるケースもあるため、単純に削減するのではなく、保有の必要性を見極めながら管理することが重要です。

このように優先順位をつけて管理することで、限られた人員でも効率よく在庫管理を行いやすくなり、管理精度の維持にもつながります。

棚卸しは、帳簿上の在庫数と実際の在庫数を照合し、ズレを調整するための作業です。月次や四半期ごとなど、一定の周期で実施することで、誤差が大きくなる前に発見できます。

差異が見つかった場合は、数量を修正するだけでなく、なぜズレが生じたのかを確認することが重要です。原因を特定できれば、記録方法や作業手順の見直しにつなげられるでしょう。

在庫管理の基本を押さえたら、次はより効率よく進める工夫も取り入れましょう。ここでは、管理精度を維持しながら作業負担を軽減するためのポイントを紹介します。

在庫管理の属人化を解消するには、手順をマニュアル化し、誰でも同じ流れで業務を進められる環境を整えることが大切です。入庫時の確認項目や保管ルール、棚卸しの進め方などを文書化しておけば、担当者が変わる際の引き継ぎもスムーズになります。

また、マニュアルは一度作って終わりではありません。現場の意見を取り入れながら改善を重ねることで、実際の運用に合ったルールとして定着しやすくなります。

在庫回転率とは、一定期間内に在庫がどれくらい入れ替わったかを示す指標です。一般的には、売上高や出荷数量を平均在庫高で割って算出し、数値が高いほど在庫が効率よく活用されていると判断できます。

一方で、回転率が低い商品は、長期間保管されたままの滞留在庫になっている可能性があります。定期的に数値を確認し、発注量や販売方法を見直すきっかけにするとよいでしょう。

回転率が極端に高い場合は、在庫不足や欠品が発生しやすい状態も考えられるため注意が必要です。在庫回転率を継続的に可視化することで、経験や勘だけに頼るのではなく、データに基づいて在庫量を調整しやすくなります。

手作業や紙の台帳による管理は、取り扱う商品数や出荷件数が増えるほど負担が大きくなります。入力漏れや更新の遅れが発生しやすくなり、実際の在庫数と管理データにズレが生じる原因にもなります。

在庫管理システムを導入すれば、入出庫情報をまとめて管理しやすくなり、在庫状況も把握できます。また、発注のタイミングを通知する機能や、複数拠点の在庫情報をまとめて管理できる一元管理機能を備えたシステムもあります。

導入を検討する際は、自社の業務規模や取り扱う商品の特性を踏まえ、必要な機能が備わっているかを確認することが大切です。

近年、サプライチェーンの変化や人手不足を背景に、正確で効率的な在庫管理の重要性がますます高まっています。在庫管理は、入庫から出庫までの流れを正しく記録し、実際の在庫数と管理データを一致させ続けることが基本です。

適正な在庫管理を実現するには、ロケーション管理やABC分析などの手法を取り入れ、限られた人員でも効率よく運用できる体制を築く必要があります。まずは自社の課題を整理し、どこを改善するべきなのかを把握することが大切です。そのうえで、業務量の増加に合わせて在庫管理システムや外部の知見も取り入れながら、自社に合った管理方法を見直していきましょう。

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