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BLPコラム

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AGV・AMR・AGFとは?違いや特徴、選び方を解説

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近年、EC市場の拡大や労働力不足を背景に、物流倉庫や製造現場における「搬送の自動化・省人化」が急務となっています。特に食品メーカーやドラッグストア、卸売・小売業の現場では、多品種大量の荷物をスピーディーかつ正確に搬送することが求められています。

現場の自動化を推進する上で頻繁に比較されるのが、AGV(無人搬送車)、AMR(自律走行搬送ロボット)、AGF(無人搬送フォークリフト)の3つです。本記事では、これら3つの基本定義や機能の違い、それぞれのメリット、自社の現場に最適な機器を選ぶためのポイントを分かりやすく解説します。



自動搬送ロボットを検討するにあたり、まずはそれぞれの言葉の意味を正しく理解することが大切です。ここではAGV・AMR・AGFそれぞれの概要と基本的な仕組みについて解説します。

AGV(Automated Guided Vehicle/無人搬送車)は、磁気テープ、光学テープ、QRコード、レーザー誘導など、あらかじめ設定された経路や誘導方式に従って荷物を搬送する移動ロボットです。磁気テープなどのガイドに沿って走るタイプが代表的で、固定ルートの搬送に向いています。

あらかじめ設定された軌道上を一定の速度で移動するため、組み立てラインへの部品の定期的な補充など、繰り返しの多いルーティン作業に力を発揮します。工場や倉庫などで昔から広く使われている、実績の豊富な自動搬送ロボットです。

AMRAutonomous Mobile Robot/自律走行搬送ロボット)は、AGVとは異なり、床面のガイドを必要としない「ガイドレス走行」が大きな特徴です。搭載されたセンサーやカメラ、SLAM(スラム)技術を用いて周囲の環境や障害物をリアルタイムに認識し、自車位置を推定しながら最適なルートを自動で判断して走行します。
経路上に人や荷物などの障害物がある場合は、機種や設定に応じて減速や停止、待機、迂回などの動作を行い、安全に配慮しながら走行します。

また、レイアウト変更や人の往来が発生する現場でも運用しやすいことから、物流センターや製造現場などさまざまな環境で導入が進んでいます。

AGF(Automated Guided Forklift/無人搬送フォークリフト)は、無人で動くフォークリフトです。AGVAMRが主に荷物を運ぶための機器であるのに対し、AGFは主にパレット貨物の搬送・荷役作業を自動化します。人が運転するフォークリフトによる作業を減らすことで、安全性の向上や作業負担の軽減が期待できるほか、有資格者への依存を抑えることにも寄与します。

走行の仕組みやコスト、得意な用途など、3つの視点からそれぞれの個性を解説します。以下の比較表と各項目の解説を参考に、特性の違いを把握しましょう。 

項目 AGV AMR AGF
走行方式 ガイド追従(磁気テープ、QRコード等) 自律走行(SLAM・ガイドレス) レーザー誘導 / ガイド追従 / 自律走行
(機種により異なる)
設置工事 床面への誘導線施工が必要(※1) 大規模な工事は不要(※1) 環境整備・反射板設置等が必要(※1)
ルート変更 誘導線の引き直し等が必要 ソフトウェア上で比較的柔軟に変更可能(※2) 走行方式により誘導線の引き直し、ソフトウェア上での設定変更(※2)
主な搬送物 ケース、ダンボール、小〜中量物 オリコン、ケース、小〜中量物 パレット、重量物
適した用途 固定ルートの単純搬送 レイアウト変更が多い現場、人と協働する現場 パレット搬送、高所ラックへの棚入れ


※1:その他、ネットワーク環境の構築や充電設備の設置、走行エリアの安全対策にも考慮が必要です。
※2
:ベンダーSEによる作業が発生する場合があります。

磁気誘導式のAGVや一部のAGFは、床に施工された線(誘導テープ)の上を走る電車のようなイメージです。あらかじめ設定されたルートに沿って走行するため、ルートの自由度は高くありません。しかし、その分だけ迷うことなく正確な位置に停止できるという強みがあります。

一方のAMRは、自由に道を歩く人間のような動きをします。障害物があれば機種や設定に応じて減速や停止、待機、迂回などの動作を行うため、頻繁に状況が変わる現場でも柔軟に対応できます。ただし、複雑な計算をしながら走るため、AGVほどのミリ単位の厳密な停止精度を出すのは難しい場合があります。

AGVは比較的本体価格が抑えられますが、誘導線の設置や走行ルートの整備(追加・変更)が発生する事があります。AMRは大規模な誘導体工事を必要としない場合が多く、比較的柔軟にルート変更できますが、ベンダーSEによる作業が発生する場合があります。また、車両本体が高機能なため単体コストはやや高めです。AGFは車体が大きく高精度な制御が求められるため、導入・施工コストともに比較的高額になる傾向があります。

AGVは、箱に入った部品や完成品など、比較的軽くて形が揃ったものを決まった場所へ・決められたルートで効率よく搬送する用途に向いています。製造ライン間の部品供給などでよく使われるのはそのためです。AMRは、巨大な物流センターなどで、人や設備の配置変更に柔軟に対応しながら運用できることが特徴です。レイアウト変更が発生する現場や、人と同じエリアで運用する現場などで活用されています。そしてAGFは、パレット貨物の搬送に加え、高所ラックへの格納・取り出しなどの荷役作業を自動化したい現場で活用されています。

自動搬送ロボットの導入は、現場にどのような良い変化をもたらすのでしょうか。企業がシステム化を進める主な理由として、大きなメリットを2つ紹介します。

少子高齢化に伴う労働力不足は深刻化しており、特に夜間作業や重労働である搬送業務の人手確保は難易度が上がっています。自動搬送ロボットを導入することで、単純な「運ぶ」作業をロボットに代替させ、限られた人員を流通加工や品質管理、イレギュラー対応など、人による対応が求められる業務へ配置することが可能ですす。

人間が手押し車などで荷物を運ぶ場合、疲労によってペースが落ちたり、うっかり違う場所に届けてしまったりすることがあります。長時間の作業になればなるほど、集中力が切れてしまうのは避けられません。ロボットであれば、バッテリーが続く限り一定の速度で働き続けることができます。システムからの正確な指示通りに動くため、届け間違いといった人為的なミスも防げます。

さらに、設定された安全な速度で走行し、センサーで障害物を検知すれば停止するため、現場での接触事故を減らせます。導入することで、安全で効率的な職場環境を整えたい場合にも最適です。

自社の現場にどのロボットを導入すべきか、迷う担当者も多いはずです。失敗しない機器選びのために、押さえておくべき3つの基準を詳しく解説します。

まずは、自社で自動化したい作業と、取り扱う荷物の種類を明確にしましょう。例えば、ケースやオリコン、段ボールなどを決められた場所へ搬送したい場合はAGVAMRが候補となります。一方、パレット貨物の搬送に加え、積み下ろしや高所ラックへの格納・取り出しまで自動化したい場合はAGFが適しています。荷物の重量やサイズだけでなく、「何を運ぶのか」「どの作業を自動化したいのか」という視点で選定することが重要です。

現場の環境がどのくらいの頻度で変わるかも重要なポイントです。例えば、季節ごとに扱う商品が変わり頻繁に棚の位置を動かす現場や、状況によりモノや人の配置を柔軟に変更する現場ではAMRが適しています。レイアウトの変更時にSEによる作業が発生する場合があるものの、誘導線等の引き直しや大規模な工事が不要なため比較的柔軟な対応が可能です。逆に、工場の製造ラインのように一度設置したら数年は設備を動かさない環境であれば、軌道をしっかり固定できるAGVの方が安定して運用できます。現場の変動性をよく見極めてみてください。

ロボットの導入には、本体価格だけでなく、設置工事費やシステム構築費などを含めた全体の予算を考える必要があります。特に将来的なレイアウト変更が想定される場合は、ルート変更の柔軟性や再設定にかかるコストも含めて検討することが必要です。削減できる人件費や作業効率化による利益創出効果を算出し、妥当な投資回収期間(通常2〜5年程度)を設定して機器を検討しましょう。

メンテナンス費用や運用にかかる電気代なども計算に入れ、自社の予算に見合った無理のない投資計画を立てましょう。補助金などを活用できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

AGV・AMR・AGFは、それぞれ走行方式・適した搬送物・レイアウト変更への柔軟性が異なります。自社の物流課題が「パレット搬送の自動化」なのか、「小口荷物の搬送効率化」なのか、あるいは「レイアウト変更に強い柔軟性」なのかを明確にし、最適なロボットを選定することが大切です。自動搬送ロボットをうまく活用し、効率的な現場づくりを進めてみてください。

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